多層溶接の全パス3次元解析
事例概要
溶接による変形や残留応力を現実的なモデル規模で予測(熱伝導解析・熱応力解析)しようとすると、非常に長い計算時間と多くのメモリが必要になります。ここではF-WELDplusのソルバーでもある理想化陽解法FEMを使用して、円管の多層溶接による熱変形や残留応力を超高速に解析した例をご紹介いたします。
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実物写真
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108万要素,108パスの多層溶接残留応力解析モデル
溶接解析の基礎理論は非線形FEM熱弾塑性解析法であり、弾塑性、座屈、割れ、接触、逐次解析(溶接トーチの移動を模擬)、材料定数の温度依存性、溶接線上の要素がかなり細かい、溶接パス数が数十から数百パス、数十万ステップ以上、実用構造物は20万要素以上などの問題から、陰解法などで解こうとすると長時間、大メモリが必要になります。
F-WELDplusで使用する理想化陽解法FEMソルバーは、その超高速計算・小消費メモリ化によって、100万節点、100万要素、100パス規模の多層溶接による変形と残留応力問題を3日ほどで計算できます。
この事例では、円管の突合せ多層溶接問題に対して、理想化陽解法FEM ソルバーで熱伝導解析・熱応力解析を行いました。トーチからの入熱による温度分布履歴と、それによる熱膨張・熱収縮で変形や応力を計算します。
溶接中の変形や応力分布、最終的な変形や残留応力などを求め、測定結果と比較しています。
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軸方向応力σz分布(180度の断面)
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周方向応力σθ分布(180度の断面)
応力分布_解析結果を測定結果と比較
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